2012年09月21日

音叉の左右に進む波の式

原点 $O$ から距離 $L$ の地点に音叉 S があり、波長 $\lambda$、振動数 $\nu$ の音波を左右に出している。

onsa.png

この際、左右に出ている音波は、圧力や密度の上では同一の初期位相で出しているが、変位の上では $\pi$ だけ異なった初期位相で出している。音波は縦波であるから、媒質は $x$ 方向に振動する。
今、Sから左に進む波について、位置 $x$、時刻$t$における媒質の変位 $y_{L}(x, t)$ が、振幅を $A$、波数 $\displaystyle k = \frac{2 \pi}{\lambda}$、角振動数 $\omega = 2 \pi \nu$ として
$$
y_{L}(x, t) = A \sin(\omega t + k x)
$$
で与えられているとする。

この時、音叉Sの右に進む波の位置 $x$ における媒質の変位 $y_{R}(x, t)$ は、次のようにして求められる。
音叉のある $x = L$ での振動は、
$$
y_{L}(L, t) = A \sin(\omega t + k L)
$$
右に進む波は位相が $\pi$ ずれるから
$$
y_{R}(L, t) = A \sin(\omega t + k L + \pi)
$$
音波の速さを $v$ とすると、音叉の右側に $x - L$ だけ波が伝わるのに $\displaystyle \frac{x - L}{v}$ [s]かかるから
$$
y_{R}(x, t) = A \sin \left\{ \omega \left(t - \frac{x - L}{v} \right) + k L + \pi \right\}
$$
$\displaystyle \frac{\omega}{v} = k$ だから
$$
y_{R}(x, t) = A \sin \{ \omega t - k (x - L) + k L + \pi \}
$$
となる。
posted by とさかくん at 23:15| Comment(0) | も研
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